【CROSS TALKS】文教で学び、文教で教える〜〈教育=人を育てる〉のバトンをつなぐ〜

お話いただいたのは・・・



文教大学学園で育ち、学び、卒業し、現在は文教大学学園で教える立場で活躍する3人の先生にお集まりいただきました。「教育=人を育てる場」としての文教大学学園の魅力はどこにあるのでしょうか。先生方に語り合っていただきました。
天野
:
松川先生、お久しぶりです。
松川
:
お久しぶりです。教え子との対談というのもちょっと複雑な心境です(笑)。
鈴木
:
同感です(笑)。私は天野さんが付属幼稚園の年中だった時の担任なのですが、3年前に定年退職しまして、今は非常勤教員として天野さんが担当している年少クラスのサポートに入っています。
松川
:
鈴木先生は中学から文教大学学園ですか?
鈴木
:
はい。中学生の頃から付属幼稚園の子どもたちが遊んでいる様子を見て、幼稚園の先生って楽しそうだと思い、当時あった短大の児童学科へ進みました。児童学科は夜間だったので、昼間は付属幼稚園で見習いとして働き、夜は授業に出て勉強しました。
松川
:
私は大学から文教大学学園ですが、もともとは保育園の先生になりたかったんです。
鈴木
天野
:
えー、初めて知りました!
松川
:
そんなに驚かなくても(笑)。当時は男性が保育園や幼稚園の教員になるケースが少なくて、それで小学校の教員免許を取ることにして教育学部に入ったんです。
天野
:
松川先生は、私が小学3年の時に体育の先生として入ってこられました。かっこいい姿とミッキーマウスのようなハスキーボイスのバランスがおもしろくて、クラス中で盛り上がりました。
鈴木
:
人気者でしたでしょ?
天野
:
はい、人気がありました。
鈴木
:
天野さんが教育学部の心理教育課程に進み、幼稚園教諭を目指していることは知っていましたが、まさか付属幼稚園に就職できるとは思ってもみなかったです。
天野
:
私自身、驚いています。教育実習は付属幼稚園へ行きましたが、私が習った先生たちはまだ現役で大活躍中で、先生の空きがないんです(笑)。
鈴木
:
私も出産後は勤められないだろうなと思っていたら、当時の主任の先生から「お母さん先生になって、これからも続けてほしい!」とエールをもらって。結局そのまま続けさせていただくことができました。
松川
:
採用がなかったのですね(笑)。
天野
:
そうなんです。あきらめかけている矢先に「クラスが一つ増えるかもしれない」と。このまたとないチャンスに巡り合い、めでたく就職できることになりました。
松川
:
私も天野さんとちょっと似ているかな。ちょうど卒業のタイミングで付属小学校の体育の教員が辞めるから、「行ってみないか」と大学の方から声をかけていただいて。
鈴木
:
ご縁ってあるんですよね。私の中学校時代の忘れられない思い出なのですが、下校時に急に雨が降ってきて傘がなくて困ったなと思って歩いていたら、馬田行啓先生のご子息の馬田和夫先生が傘に入れてくださり、家の近くまで送ってくださったんです。
松川
:
馬田行啓先生って、旗の台キャンパスの敷地に銅像が立っている馬田先生ですね?文教大学学園の創始者でいらっしゃる。
鈴木
:
そうです。その時はそんな立派な先生だって認識していなかったのですが、母に言ったらびっくりしてしまって。それもご縁の一つかなと思っています。
松川
:
天野さんは幼稚園時代、どんなお子さんでした?
鈴木
:
今もよい意味で変わっていないと思うのですが、すごく真面目。周りをよく見て行動できるお子さんで、手がかかりませんでした。
松川
:
私は体育教師として授業を持っていたのですが、とにかくなんでもやりたいといった活発な印象が残っています。天野さんのクラスは、男子と女子の仲がとてもよかった。
天野
:
卒業してからもずっと仲がよくて、今は結婚や出産などで会う機会は減っていますが、二十代の頃までは定期的によく集まっていました。そうすると必ず「小学校楽しかったよね」という話題になります。今、小学3年生の息子がいるのですが、「学校つまんない」とか言うんですよ、信じられません(笑)。
松川
:
休み時間は「いもぴー」*で盛り上がっていたよね(笑)。
天野
:
「いもぴー」懐かしい(笑)!今はそんな遊びをする子どもはいませんか?
松川
:
やってます(笑)。今は「いもぬき」と呼ばれていますけど。
天野
:
「いもぴー」が受け継がれているなんて、うれしいです!
鈴木
:
芋になる人とそれを引く人と。体力遊びでもありましたね。
松川
:
天野さんの頃は1学年1クラスの時代で、付属幼稚園からあがってくる生徒が1クラスに十数人いました。これはお世辞ではなく、思いやりがあってやさしい子が多かったですね。それが周りの子どもにも影響して、クラス全体がよい雰囲気になる。ずいぶん助けられましたし、文教大学学園の建学の精神である「人間愛」が流れていると感じました。
天野
:
幼稚園から人間愛という言葉を習うわけではありませんが、先生たちがそうした気持ちを持って接してくださっていたので、自然に学んだり、身に付いていたりしているということはあると思います。
鈴木
:
普段は特に意識していることはないですが、例えばお子さんには「ここまでできた!」とか「跳び箱が何段飛べた!」とか、そういうことにはあまりこだわらない接し方をしてきたと思います。一人ひとり違った個性がありますし、「ここまでできてよかったね」と認めてあげるような、そういう教育・保育をしてきたつもりです。「跳び箱3段飛べなきゃ」ではなく、「飛べたね!」と喜べるような。それをあえて言葉にするとしたら、人間愛ということになるでしょうか。
松川
:
私は以前は「跳び箱は3段飛べなきゃ」と考える方だったと思います。「こうしなきゃ」という思いが強かった。でも子どもたちのやさしさに触れているうちに、小学校の教育としてそれが正しいのかどうかわかりませんが、「まあいいんじゃないの」と子どもの自主性に任せられるようになりました。
鈴木
:
子どもたちに教えられますね。
松川
:
今も毎日そうです。教えられることの連続です。
*芋になる子どもと鬼に分かれて遊ぶ集団遊び。芋になる子どもたちは手をつないでうつ伏せになり、鬼がひとりの足を引っ張る。芋になる子どもたちは皆で手を握り、引っこ抜かれないようにする。
天野
:
私は幼稚園から大学まで文教大学学園なのでほかと比べることはできないのですが、ここで育ってよかったなと心から思っています。その一つが先生たちが温かいということ。少人数でアットホームな学校でしたので、担任の先生以外の先生たちも私たちのことを知っていてくださり、たくさんの目に見守られながら過ごしたことに感謝しています。
鈴木
:
先生たちの温かさは私も感じて過ごしました。付属幼稚園に就職してからも、中学・高校でお世話になった先生が気にかけてくださったりして。その温かさを今、お返ししている感じでしょうか。
天野
:
はい。子どもたちには日常の些細なことでもたくさん褒めて認めてあげて、自信をつけて上の学校に進めてあげたいですね。
鈴木
:
私たちがそうだったように、たくさんの人に支えられて生きていることを忘れないでほしい。そして自分のことだけでなく、相手のことも思いやれる人に育ってほしいです。言い出したらキリがないけれど(笑)。
松川
:
お二人のお話を聞いていると、「人間愛」というバトンは確実に次代へ手渡されていると感じます。
